Vo.32〜再考・熟考
スイッチを入れれば…
すぐにパソコンが起動し、エアコンがついて適温になり、寒い思いも暑い思いもせずに済む…
いつも乗る電車は、たいてい夏はクーラー、冬は暖房が効いているし、急行だ特急だ、長い編成だって、一度にたくさんの人を運べる…
ガソリンスタンドは24時間、セルフでいつでも給油可能、足りないものがあれば夜中であってもコンビニに行けば何とかなる… ホントに便利な世の中。
でも、もしかして俺らは『慣れ』過ぎてなかったか?…と思う。
子供の頃、電車とかバスにクーラーがあるものに乗れるなんて滅多になかった。もちろん、家にはクーラーなんてなく、暑い夜は自分でウチワを扇ぎながら寝た。
コンビニなんてなくて、スーパーはよくて夜7時くらいまで。もちろん、正月3が日は休業。
電話は家の電話しかなくて、それも留守電なんて無し。内緒の電話は、わざわざ外に出て公衆電話まで走ったし…
夜になれば、街は暗くなるのが当然で…
地震があった瞬間、地下鉄の車内に居た。本気で「もうダメだ」と思った… 駅の外に出て、交通網がマヒしているから、麻布から後楽園の先まで歩いた。地下鉄で15分くらいのところを1時間半かかった…
自分の所属するスクールに着いて、帰れない生徒を車に乗せて横浜に向かったものの、到着まで7時間かかった。信じられないくらいの渋滞だった…
今日ガソリンを入れに行ったけど、給油まで1時間並んだ…
でも…
誰も不満そうな顔はしてなかった。むしろ、そういう顔を見ることで自分にとっても何か大きな救いになっているような気がした。
便利なのは有り難い。でも、それに慣れ過ぎてしまってたかも…
…そんなことを本気で考え始めるキッカケになった2011年3月11日だ。
そんな俺らは、これから何ができるのだろう…