Vol.1 チャンとすること

♯今はまだ・・・

♪今はまだぁ〜、人生を〜、人生を語らずぅ〜♪という歌がある。
よしだたくろうさんの曲で、今から20年以上も前の曲だから知っている人も少ないだろう
けど、自分の中ではけっこうなブームだった。

当時の僕は中学生。15才前後である。なぜだかわからないが、
はっきりした理由もなく、やたらに「人生」とか「青春」なんていう
言葉に反応していた。ラジオ深夜放送にのめり込む時期とも
重なり、『オールナイト・ニッポン』や『パックイン・ミュージック』と
いった番組が放送された翌日には、学校で「おまえ、昨日の
『ナッチャコ・パック』聞いたやぁ?」(←当然、博多弁)という
会話に花が咲いたものだ。そんな僕のアイドルが、
『オールナイト〜』のパーソナリティを務めていた
よしだたくろうさんだったのだ。

いきなり話は変わるが、よしだたくろうって今は"吉田拓郎"って漢字表記みたいっ
すね。正式にどっちかに決まってるのだろうか?……別にどっちでもいいんだけど。

ちょうど、たくろうさんが浅田美代子さんとの離婚がどうのとかで、マスコミに
あーだこーだと好き勝手なことを言われていたこともあって、放送ではやたらと
マスコミに対して過激な発言をしていたと記憶している(今、冷静に考えると、
そういう発言もマスコミ=ラジオを通じてやっているっていう、どこか矛盾した面も
あるように思えるけど)。で、その騒動の中で放送が最終回を迎えたのだ。
「ポォ〜ンンン(←午前1時の時報)……え〜、マスコミが好き勝手なことを書いたり
 言ったりしてますけど、今日はこっちも好き勝手に言わせてもらうんで。
 よしだたくろうのオールナイト・ニッポン、最終回……」
      (BGM一切なし)
こんな無愛想な感じで始まった放送を「おぉー! たくろう、カッコ良かぁ〜〜!」
と心酔していた。当然、彼の曲もあれこれ聞いていたし、これも当時ブームだった
フォークギターを家でかき鳴らしながら、"たくろうソング"をがなりまくっていたの
だ。俺って今、青春しとうなぁ〜って根拠のない充足感に浸りながら……
(いやぁ、お恥ずかしい)

そんなわけで、コラムのタイトルを"今はまだ〜"なんていうエラそうなものに
してみました。(「別にここで人生について語ろうなんて思ってるわけじゃないで
すよ」宣言か?)前置きが長くなって申し訳ないっす!

♯ドラムという楽器

で、今回のテーマは、やっぱりドラムにしてみた。僕、一応ドラマーなんですけど、
これがちっっっっとも上手くならない!まあね、基本的に練習が嫌いなんっすけどね。
しかもトシのせいか、集中力が……なんていう言い訳は、またの機会にしておいて、
本題はドラムっていう楽器についてだ。

 よく考えてみると、ドラムって、どんなやり方にしろ"叩きさえすれば音がする"楽器
なのだ。ピアノなんかと違って音程とか和音とか、そういう難しいことも関係ないし。
ところが、アンサンブルの中では、かなりのウエートを占めることになる。ドラムが
ヘタっていると、バンドそのものもヘタって聞こえるでしょ?これが僕自身にも大きな
プレッシャーになってるわけだけど、実はそれをあまりに意識しすぎて演奏すると、
ロクなことがないのだ。要するに「よ〜し、上手く叩くぞ」「キッチリ決めてやるぅ」
とか思った瞬間、演奏がカラ回りしてしまうのだ。じゃ、どーすんだ?  チャンとしようと思うな!—-これが師匠つのだ☆ひろさんの教えである。
演奏中に「あれもしよう、これもやらなきゃ」と考えてたら、音楽そのものを
楽しめないだろうが!もっとフニャ〜ってなって、フツーもしくはそれ以下の
リラックス状態で演奏しろ!……この教えを知って以来、僕は本番前には
極力リラックスする、自由に自分を解放できるように心掛けている。
そうすると、本番はウヒャヒャ〜〜!って楽しめる。楽しみすぎて「演奏中にニヤニヤ
しすぎ」という声もあるけど(実話)。
 思うに、これって別にドラムに限ったことじゃないかもしれない。何をやるにしろ、
あまり構えすぎると良くないんじゃないかと思う。どうでしょう、皆さんも何かを
やる前に、ちょっとでいいから「フゥ〜」って力を抜いてみては。そうすれば、
普段通りの自分になれると思うんだけど。
 普段通りの自分とは、自分の実力とか素の姿がそのまま出ている状態だ。
ってことは、普段の積み重ねが大事ってことだな
……ん?そんじゃ日頃からドラムの練習はやっとかなきゃって話か?
……あちゃー、結局、練習しとかなきゃいけないんだぁぁぁ!
(ってコレがオチ?)